英文名 | International health | |
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科目概要 | 医科学専攻・医学専攻(共通教育科目) 共通教育科目 2単位 講義 | |
履修期 | 前期(9月迄) | |
科目責任者 | 正木 朋也 | |
担当者 | 正木 朋也, 相賀 裕嗣, 今野 浩一 | |
講義室 |
一般目標 (General Instructional Objectives):
グローバルヘルスの課題を認識し、自らビジョンをもって課題解決につながる適切な判断と行動ができる人材を育成すること。
健康を基軸に世界を俯瞰して、グローバルな課題や諸問題を克服するために自らなすべきことをみいだす力を涵養する。受講者は人口増加と社会構造変化に伴う、パンデミック、地球温暖化、紛争などの動的かつ相互に関係・交絡し深まる諸問題を認識するとともに近未来の世界を予見する。その上で、途上国で生じる課題解決のためのグループワークにより、自らの問題への認識にもとづく対策を提案してほか受講者らと共有し、受講者相互に批判的な吟味を加えつつ意見交換を行う。講師を交えた受講者相互の議論をとおして、より良い世界を次世代に引き継ぐための行動理念や考え方について議論する。その際、ビジネスで培われたプロジェクトマネジメントの考え方や手法も学び、課題を実務的に克服しながら状況を改善する手法や発想法を学びながら、リーダーとしてのスキルを身につけて、責任ある行動をリードする力と包容力の獲得をめざす。
1.講師よりグローバルな課題や諸問題を電子配布資料として提供し、世界動向を踏まえた現状課題とその解決策のヒントを与える。
2.指名により、受講者の上記1に対する認識・理解を受講者同士で共有し、講師からの補足解説・コメントをもとに議論を行い相互にその本質的な問題への理解を深める。
3.実習に先立ち事前配布の資料を読み、グループワーク時には、互選により司会、時間管理者、発表などを決めたうえで検討結果を発表・共有してディスカッションを行う。
4.2コマ毎の講義内容をもとにその内容・コメント・質問などをマインドマップとしてまとめ、講義修了後3日以内に電子的に提出し、翌週講師がピックアップした内容を紹介し、作成者の理解や整理の意図やポイントを受講者とも共有しフィードバックする。
5.2025年度は2024年度同様対面講義を前提するが、状況に応じてZoomを使用したオンラインのライブ講義とする可能性も留保する。
〇 | DP1 専門領域に関する全般的な知識と研究動向の把握 |
〇 | DP2 必要な研究手法の習得 |
◎ | DP3 医学・医科学研究や医療技術の専門家・リーダーとしての高い倫理観とコミュニケーション能力 |
◎ | DP4 チームの中で研究や臨床を進める能力 |
◎ | DP5 適正な研究手法により得られたデータに基づいて研究論文を論理的に作成する能力 |
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 | 講義室 |
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1 | 国際保健学序説(1) | バッシュ博士の国際保健(指定参考書)、国際保健学の思想基盤、全体像をつかむ | 正木 朋也 | 5/16④ | M1-9F大学院ゼミ室 |
2 | 国際保健学序説(2) | 疫学・保健統計、国際開発指標、世界動向、ファクトフルネス(指定参考書) | 正木 朋也 | 5/16⑤ | M1-9F大学院ゼミ室 |
3 | プライマリ・ヘルスケア(1) | 健康と社会(個、地域、世界) | 正木 朋也 | 5/23④ | M1-9F大学院ゼミ室 |
4 | プライマリ・ヘルスケア(2) | WHOの健康の定義、健康の概念、健康政策 | 正木 朋也 | 5/23⑤ | M1-9F大学院ゼミ室 |
5 | グローバリゼーション(1) | 人間の安全保障、Basic Human Needs | 正木 朋也 | 5/30④ | M1-9F大学院ゼミ室 |
6 | グローバリゼーション(2) | 国連システム、NGO, NPO、ゲーム理論、外交(実習) | 正木 朋也 | 5/30⑤ | M1-9F大学院ゼミ室 |
7 | プロジェクト・マネジメント(1) | フレームワーク | 今野 浩一 | 6/6④ | M1-9F大学院ゼミ室 |
8 | プロジェクト・マネジメント(2) | 基本プロセスとツール | 今野 浩一 | 6/6⑤ | M1-9F大学院ゼミ室 |
9 | 課題・問題解決(1) | リスクマネジメント | 今野 浩一 | 6/13④ | M1-9F大学院ゼミ室 |
10 | 課題・問題解決(2) | 不確実性の高いプロジェクトのマネジメント | 今野 浩一 | 6/13⑤ | 調整中_M1 |
11 | 途上国研究における保健システム上の課題(1) | 開発途上国における保健人材の課題 | 相賀 裕嗣 | 6/20④ | M1-9F大学院ゼミ室 |
12 | 途上国研究における保健システム上の課題(2) | 課題解決(グループワーク実習) | 相賀 裕嗣 | 6/20⑤ | M1-9F大学院ゼミ室 |
13 | 緊急人道援助計画(1) | 紛争等緊急時における研究倫理 | 相賀 裕嗣 | 6/27④ | M1-9F大学院ゼミ室 |
14 | 緊急人道援助計画(2) | 課題解決(グループワーク実習) | 相賀 裕嗣 | 6/27⑤ | M1-9F大学院ゼミ室 |
15 | 21世紀の国際保健学 | 活動の評価と「場」の設定、プログラム評価(指定参考書)、国際協力とその評価、継代と未来 | 正木 朋也 | 7/4④ | M1-9F大学院ゼミ室 |
1) 科学の発展と世界の人々の多様な価値観を踏まえ、健康とは何かを述べることができる(※知識・理解・表現)。
2) 世界銀行や国連開発計画などの公開データをもとに世界動向を把握し(※技能・表現)、予見される問題点を指摘して(※思考・判断)その対策について自らの考えを述べることができる(※思考・表現)。
3) 国際協力とその評価について具体例をあげ(※知識・理解)問題点と改善案を提示することができる(※思考・判断・表現)。
4) グローバルヘルスの複数の観点について、自分の専門性との関係性についての考えを述べることができる(※意欲・感心・態度)。
5) 課題のレベルを時間的空間的に把握し(※知識・理解)、到達すべきゴールを明示(※思考・判断)して、具体的な解決策を提示できる(※理解・表現)。
1) 連続講義2コマ毎に10分程度で作成するマインドマップの内容をもとに各テーマの理解度を評価する(50%)。
2) 実習・グループワーク(25%)および、3) 授業への積極的な参加(25%)は加点対象とする。
講義期間を通じて電子的に共有する補助教材(文献・公開資料等)を適宜参照すること(参照する文献などの数により個々に異なるが、概ね1時間以上の予習を想定)。
予習・自習課題が出された場合は次週までに終えておくこと(実習のための資料読解には概ね30分以上を要する)。
【授業外の学習時間:60時間】
講師および受講者同士の積極的なディスカッションを期待する。
※オンラインのライブ講義での開催になった場合は、別途通知する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特に指定しない。 | ||
参考書 | バッシュ国際保健学講座, pp.551 | Basch P.F. (PHC開発研究会) (2001) | じほう |
参考書 | 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣, pp.400 | ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著(2019) | 日経BP社 |
参考書 | プログラム評価ハンドブック, pp.260 | 山谷清志(監), 源由理子, 大島巌(編著), (2020) | 晃洋書房 |