英文名 | Pathology of Biological Response | |
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科目概要 | 医学専攻(博士課程) 生体構造医科学群 2単位 講義 | |
履修期 | 通年 | |
科目責任者 | 村雲 芳樹 | |
担当者 | 村雲 芳樹, 一戸 昌明, 櫻井 靖高, 眞山 到, 氣仙 裕梨香 | |
講義室 |
ヒトの病気の多くは、一つの原因に端を発する生体の反応により惹起される。現在行われている癌治療の多くは癌細胞・癌組織内で起きている様々な反応をターゲットとしているため、細胞内・生体内で起きている反応を理解することは、病気の発症メカニズムと治療のストラテジーを考える上で非常に重要である。本特論では、一つの原因から生体内で起こる反応を学び、病気を病態として考える力を身につけることを目標とする。
発癌に至る分子メカニズムの多様性と、分子生物学的な癌研究の基本となるDNAの構造や細胞増殖、基本的な実験手技について概説する。そして、生体にできる悪性腫瘍の肉眼像・組織像を総論的に講義し、DNA修復システムの異常とヒトの疾患、癌の進展メカニズムについて講義する。さらに、実験動物、培養細胞を用いた研究、病理学的手法を用いた研究について学ぶ。最後に、分子病理学的研究について、悪性黒色腫検体を用いた最近の研究を紹介しながら概説する。これらの内容から、病気をその根本にある原因から理解し、それを研究に応用する思考力を養う。
パワーポイントと配付資料を用いて、講義形式で説明する。最後に講義内容に関するレポートを提出させる。レポートの内容について二週間以内のコメントを書いてフィードバックを行う。
◎ | DP1 専門領域の全般的な知識と最新の国際的研究動向の把握 |
〇 | DP2 先端の研究手法 |
〇 | DP3 医学研究や医療分野のリーダーとして求められる高い見識と倫理観とコミュニケーション能力(授与学位:医学) 医科学研究や医療分野のリーダーとして求められる高い見識と倫理観とコミュニケーション能力(授与学位:医科学) |
〇 | DP4 研究チームのリーダーとして医学研究の立案遂行(授与学位:医学) 研究チームのリーダーとして医科学研究の立案遂行(授与学位:医科学) |
〇 | DP5 国際的なレベルの学術論文の作成、出版 |
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 | 講義室 |
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1 | 発癌のメカニズムの多様性 | いろいろな発癌メカニズムについて学ぶ[スライド英語] | 村雲 芳樹 | 11/12③ | A1号館5階ゼミ室3 |
2 | DNAの構造をDNA複製・細胞増殖・DNA損傷 | DNAの構造と複製、細胞増殖について学ぶ[スライド英語] | 村雲 芳樹 | 11/12④ | A1号館5階ゼミ室3 |
3 | 癌細胞・癌組織の特徴 | 細胞・組織レベルでの癌の特徴を学ぶ[スライド英語] | 氣仙 裕梨香 | 11/19③ | A1号館5階ゼミ室3 |
4 | 様々な癌の組織型とその特徴 | 様々な臓器に発生するがんの特徴について学ぶ[スライド英語] | 氣仙 裕梨香 | 11/19④ | A1号館5階ゼミ室3 |
5 | DNA損傷とDNA修復システム概説 | 様々な原因によるDNAの損傷と修復機構について学ぶ[スライド英語] | 櫻井 靖高 | 11/26③ | A1号館5階ゼミ室3 |
6 | DNA修復システムの異常と人の疾患 | DNA修復システムの異常が引き起こす人の疾患について学ぶ[スライド英語] | 櫻井 靖高 | 11/26④ | A1号館5階ゼミ室3 |
7 | 培養細胞を用いた発癌研究 | 培養細胞を用いてどのような発癌研究ができるかを学ぶ[スライド英語] | 櫻井 靖高 | 12/3③ | A1号館5階ゼミ室3 |
8 | 実験動物を用いた発癌研究 | 実験動物を用いてどのような発癌研究ができるか、その利点について学ぶ[スライド英語] | 櫻井 靖高 | 12/3④ | A1号館5階ゼミ室3 |
9 | 病理組織検体を用いた癌研究(1) | 病理組織検体を用いてどのような癌研究ができるかを学ぶ[スライド英語] | 眞山 到 | 12/10③ | A1号館5階ゼミ室3 |
10 | 病理組織検体を用いた癌研究(2) | 病理組織検体を用いた癌研究の実際について学ぶ[スライド英語] | 眞山 到 | 12/10④ | A1号館5階ゼミ室3 |
11 | 分子病理学的手法を用いた癌研究(1) | 分子病理学的手法を用いてどのような発癌研究ができるかを学ぶ[スライド英語] | 一戸 昌明 | 12/17③ | A1号館5階ゼミ室3 |
12 | 分子病理学的手法を用いた癌研究(2) | 分子病理学的手法を用いた発癌研究の実際について学ぶ[スライド英語] | 一戸 昌明 | 12/17④ | A1号館5階ゼミ室3 |
13 | 細胞増殖と細胞内シグナル伝達 | 細胞の増殖に関わる細胞内シグナル伝達について学ぶ[スライド英語] | 村雲 芳樹 | 12/24③ | A1号館5階ゼミ室3 |
14 | 癌の細胞内シグナル伝達の異常 | 癌細胞の細胞内シグナル伝達の異常について学ぶ[スライド英語] | 村雲 芳樹 | 12/24④ | A1号館5階ゼミ室3 |
15 | 様々な癌研究:プレゼンテーション | 癌研究についての各自のアイデアを発表する[スライド英語] | 村雲 芳樹 | 12/24⑤ | A1号館5階ゼミ室3 |
病気を分子メカニズムから捉える思考能力を身につけ、癌の発生と進展のメカニズムを説明できる。いろいろな癌研究手法について説明できる。
評価は授業への積極的な参加(80%)、プレゼンテーション(20%)の総合評価とする。
腫瘍全般についての準備学習と講義で配布するプリントの復習 授業外学習時間:60時間
特になし
種別 | 書名 |
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教科書 | 指定なし |
参考書 | 指定なし |