英文名 | Projective Technique | |
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科目概要 | 医科学専攻(修士課程) 臨床心理学コース 2単位 講義 | |
履修期 | 前期(9月迄) | |
科目責任者 | 小倉 菜穂子 | |
担当者 | 小倉 菜穂子 | |
講義室 |
見えない心や人の心理機能を理解するために、客観的なデータとなるロールシャッハ言語を理解し、その客観的なデータから人について理解する力を習得する。
臨床場面で活用されている主要な心理テストであるロールシャッハ・テスト(包括システム)について講義する。客観的なデータを用いて、対象者の福利につながるような臨床的介入をどう行なってゆけるのか、実際の支援にどう活かしてゆけるのかを議論する。
ロールシャッハ・テスト(包括システム)の歴史・施行法・集計法・解釈法について、講義内での解説、課題による自主学習、実習等を通して体験的に学習し、技術を習得する。各回終了後には質問を受け付け、次回講義の冒頭で総評することなどにより、全体にフィードバックを行う。また、ロールシャッハ・テストを中心とした複数の心理テストを実施した事例を用いて、どのようにデータを解釈し、どのように結果を対象者に伝えるか等について、グループディスカッションを実施し検討する。さらに、得られたデータをまとめレポートを作成する演習を行う。作成したレポートについては、提出後個別にコメントを与えるなどしてフィードバックを行う。
〇 | DP1 専門領域の基本的な知識を持ち、その領域の研究動向を把握 |
◎ | DP3 医科学研究の専門家としての倫理観やコミュニケーション能力(授与学位:医科学) 医療技術の専門家としての倫理観やコミュニケーション能力(授与学位:医療科学) |
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 | 講義室 |
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1 | イントロダクション | ロールシャッハ・テストの概説、歴史、施行から解釈までの全体像の説明【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 4/10① | A1号館5階ゼミ室2 |
2 | コーディングについて(1) | コーディング全体像の確認、3本柱の概説、反応領域・発達水準・組織化活動【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 4/17① | A1号館5階ゼミ室2 |
3 | コーディングについて(2) | 決定因子①【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 4/24① | A1号館5階ゼミ室2 |
4 | コーディングについて(3) | 決定因子②【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 5/8① | A1号館5階ゼミ室2 |
5 | コーディングについて(4) | 決定因子③・形態水準・反応内容・平凡反応【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 5/15① | A1号館5階ゼミ室2 |
6 | コーディングについて(5) | 特殊スコア【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 5/22① | A1号館5階ゼミ室2 |
7 | コーディングについて(6) | コーディング練習問題・答え合わせ【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 5/29① | A1号館5階ゼミ室2 |
8 | 施行法について | 施行についての実習【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 6/5① | A1号館5階ゼミ室2 |
9 | 構造一覧表について | 構造一覧表の概説・集計方法について【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 6/12① | A1号館5階ゼミ室2 |
10 | 解釈法について(1) | クラスター分析、鍵変数、解釈のステップについて【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 6/19① | A1号館5階ゼミ室2 |
11 | 解釈法について(2) | ステップに沿った解釈の実際について【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 6/26① | A1号館5階ゼミ室2 |
12 | 解釈法について(3) | 最終所見の作成について【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 7/3① | A1号館5階ゼミ室2 |
13 | 事例の解釈について(1) | 実際の事例の解釈についてーグループ討議【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 7/10① | A1号館5階ゼミ室2 |
14 | 事例の解釈について(2) | 実際の事例の解釈についてーグループ討議【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 7/17① | A1号館5階ゼミ室2 |
15 | 講義のまとめ | ロールシャッハ・テストを用いたアセスメントの実際について【スライド:日本語】 | 小倉 菜穂子 | 7/24① | A1号館5階ゼミ室2 |
・ロールシャッハ・テスト(包括システム)の実施法・整理法・解釈法について習得できる。
・ロールシャッハ・テストを中心とした複数のテストを実施した事例を通じて立体的なケース理解の方法を身につけることができる。
・実際の支援にテスト結果をどう活かせるかを理解できる。
平常点(出席・受講態度・課題や宿題への取り組み等を総合的に評価)70%、レポート(事例についての最終レポート)30%で評価する。欠席は減点する。
各回の講義内で次回の内容について提示するので、教科書の該当部分を予習しておくこと(毎回1時間)。ロールシャッハ・テストのコーディングについては、講義時間外で行うための練習問題が各回で課されるため、それを実施する時間も含め、講義内容について少なくとも毎回3時間の復習時間を設けること。施行法については、講義内での実習後も自主的に練習しておくこと。ロールシャッハ・テストをはじめ複数のテストを実施した事例については、最終的にデータをまとめてレポートにする演習を行うので、そこに向けて毎回の講義・課題に取り組むこと。
・本講義は、臨床心理学コース在籍者のみ受講可能である。
・人を理解する前提として、自己理解が肝要である。学習する中でいろいろな面を持つ自身を客観的に理解しようとする意欲を持って参加してほしい。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | ロールシャッハ・テスト 包括システムの基礎と解釈の原理 | ジョン・E・エクスナー 著 中村紀子・野田昌道 監訳 | 金剛出版 |
参考書 | ロールシャッハ・テスト講義Ⅰ 基礎篇 | 中村紀子 著 | 金剛出版 |