授業の目的

人のこころの発達には、子どもの個性や特性、子どもを取り巻く心理社会的環境、その子どもが経験したトラウマティックな出来事などが影響を与えている。本講義では、臨床心理学領域の研究に関わる者として、人の認知・情動・行動の発達とそれに関わる病理についての知識を得ることに加え、脳科学的視点からも子どもの発達を理解することを目的とする。神経発達症、愛着障害、トラウマの影響などに関してより科学的なエビデンスをもとにエピジェネティックな変化にも触れ、人の心に関する諸問題について全般的に理解する。

教育内容

・発達に関するアセスメント（発達検査・知能検査。質問紙・投影法など）発達精神病理学的視点から、神経発達症群・愛着障害・マルトリートメントなどについて説明する。
・基本的な子どもへの支援方法と保護者への子育て支援などについて学ぶ。
・生物心理社会モデル（Bio-Psycho-Social model)の視点から発達精神分野で問題となっている領域について取り扱い理解を深める。

教育方法

・パワーポイントと配布資料を用いて講義を行う。
・評価およびアセスメントでは実際の検査道具を提示する。
・子どもへの支援方法や保護者への子育て支援に関しては、ロールプレイを通して実践的な学びを深める。
・毎回受講者がテーマに沿った話題提供としてアイスブレークスピーチを行い、ディスカッションを通して学びを深める。
・ディスカッションやグループワークに対して、講義内で総評するなどによりフィードバックを行う。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

授業内容

到達目標

・児童・思春期の認知・運動・社会性の発達についての基本的な知識を身につけ、その説明ができること。
・神経発達症群や児童・思春期特有の精神疾患について、その概念、診断を十分に理解した上で、アセスメントと対応方法を組み立てられるようになること。
・子どもの状況や個性に合わせた対応の仕方、保護者への具体的な支援アドバイスがイメージできるようになること。

評価方法

・アイスブレークスピーチを含む講義への積極的な参加（30%）とグループワーク（30%）講義レポートの作成（40%）で総合的に評価する。
・ディスカッションベースの講義のため、講義全体の3分の1以上欠席した場合は評価不可となる。

準備学習等(予習・復習)

・予習においては、事前に指定された論文をしっかり読み込み、疑問点を整理しておくことが求められる。
・復習では、講義内容について振り返り、不明点について整理し各自調べることが求められる。
・準備学習（予習・復習）の時間は、各回について約４時間が必要と考えられる。【授業時間外学習時間＝60時間】

その他注意等

・講義について分からないことがあればメールでアポイントメントを取って相談して頂きたい。

教材